2016年03月
清水宏「按摩と女」
按摩と女(1938年)- 清水 宏監督作品
池波正太郎「ルノアールの家」カルカソンヌの城
カルカソンヌの城
五年前、スペインからフランスへもどって来て、ガスコーニュの村のホテル
へ向かう途中、私は自動車の窓から、カルカソンヌの城を遠望し、その古
城 の筆舌につくしがたい美しい姿に、
「もっと、ゆっくりと走っておくれ」
といい、見惚れたことがある。
カルカソンヌの城へ行ってみたいというおもいが、五年後のいま、達せられ
ようとは考えなかった。
何か一つ、見残しておくと、そのおもいが自然に影響して、いつか、のぞみが
適うのかも知れない。
カルカソンヌといえば、画家ルノアールの長男ピエールが、第一次大戦 で重症
(右腕を砕かれた)を負って、カルカソンヌの病院へ収容されたときも、母のアリ
ーヌはカーニュから重病の身を運んで、見舞ったのだ。
ピエールが恢復期に入っていたので、安心してカーニュ へもどって間もなく、今
度は次男のジャンが重傷を負い、またも彼女は見舞いに駆けつけることになる。
池波正太郎「ルノアールの家」P172 1985年朝日新聞社刊
池波正太郎「ルノアールの家」
小川敏男編「漬けもの博物誌」
清水宏「泣き濡れた春の女よ」
「泣き濡れた春の女よ」(1933年)- 清水 宏監督作品
マキノ正博「鴛鴦(おしどり)歌合戦」
鴛鴦歌合戰 (1939年) - マキノ正博監督作品
池波正太郎「ルノアールの家」
レ・アールの一隅に[イノサンの広場]とよばれる小さな広場があり、その名に、
私が見知っていたセトル・ジャンの酒場[B・O・F] があった。
このあたりにへは二度と足を向けまいとおもっていた私だが、今日、あらため
てやって来たのは、かつてのジャン老人の店のガラス扉越しに見えた広場の
塔のようなものが、むかしは[イノサンの泉]とよばれていて、有名な画家のル
ノアールが少年時代に磁器の絵付けをしてはたらいていたころ、たまたま通り
かかり、われを忘れるほどに見惚れてしまい、それから毎日のように見に出か
け たことを知ったからだった。
この塔は、五段の敷石を積み上げた上に高さ七、八メートルの四角な石の囲い
をして、中に泉の台がある。
ルノアールが見惚れたのは石の囲いに彫りつけられた水の精の美しさだった。
これは十六世紀の彫刻家ジャン・グージョン制作の浅浮き彫りだそうな。
なるほどそういわれて見ると、まさに美しい。
池波正太郎「ルノアールの家」P99・100 1985年朝日新聞社刊
檀一雄「美味放浪記」
小津安二郎「一人息子」
一人息子1936年小津安二郎監督作品
清水宏「金色夜叉」
金色夜叉1937年清水宏監督作品
岡潔「日本のこころ」
対話による解説
日本のこころ
武田泰淳 ぼくはどうも仏教と自然科学と一致しているような気が
するんですが、、、、、、。
岡潔 いいえ、一致じゃありません。
全然大きさが違います。
あのね、無差別智の大海に自然が浮いていること、なお大海に
一かぶのあわが浮いているようなものだという意味のことを
釈尊はいわれたでしょう。
武田泰淳 ええ。
岡潔 だから、一致するもなにも、一方はちっぽけなことを一生懸命やるし
、、、、、、。
数学は、超自然界のことをやってるんであって、自然に閉じこもって
るんじゃ全然ありません。
そら、シアンステマティックといってもやはり科学はしていますけれど
ね、しかし、数学という超自然科学だって実に底の浅いものだと思います。
今度人に生まれてきたとき、数学をやるつもりは全然ありません。
実に底が浅い。
岡潔 「日本のこころ」P393 1967年講談社刊
清水宏「信子」
信子1940年清水宏監督作品
Congac Paul Giraud
ポールジロー トペット #79 45% 500ml
岡潔・森田真生編「数学する人生」
清水宏「家庭日記」
家庭日記(1938年)- 清水 宏監督作品
Cognac Paul Giraud
In the cellar with Paul Giraud
ジャクリーヌ・フランソワ「若い頃」
Mes jeunes années - Jacqueline François
小津安二郎「非常線の女」
「非常線の女」1933年小津安二郎 監督作品
清水宏「有りがたうさん」
有りがたうさん(1936年)- 清水 宏 監督作品
Cognac-Paul Giraud
Cognac-Only meets the wine growers. #Paul Giraud.
ジャクリーヌ・フランソワ「海」
La mer - Jacqueline François (version 1948)
清水宏「港の日本娘」
「港の日本娘 」1933年清水宏監督作品
ジャクリーヌ・フランソワ「パリのお嬢様」
Mademoiselle de Paris - Jacqueline François
熊谷久虎「阿部一族」
「阿部一族」 1938年熊谷久虎監督作品
五所平之助「朧夜の女」
「朧夜の女] 1936年五所平之助監督作品
島津保次郎「浅草の灯」
「浅草の灯」1937年島津保次郎監督作品
「芭蕉全句集」
西岡常一・小原二郎「法隆寺を支えた木」
木について
木の寿命
法隆寺の建物は、ほとんどヒノキ材で、主要なところは、すべて樹齢一千年
以上のヒノキが使われています。
そのヒノキが、もう千三百年も生きてもビクともしません。
建物の柱など、表面は長い間の風化によって灰色になり、いくら腐蝕したよ
うに見えますが、その表面をカンナでニ~三ミリも削ってみると、驚くではあり
ませんか、まだヒノキ特有の芳香がただよってきます。
そうして薄く剥いだヒノキの肌色は、吉野のヒノキに似て赤みをおびた褐色です。
千三百年前に第二の行き場所を得た法隆寺のヒノキは、人間なら壮年の働き
盛りの姿で生きているのです。
西岡常一・小原二郎「法隆寺を支えた木」P53・54 NHKブックス
溝口健二「ふるさとの歌」
ふるさとの歌1925 溝口健二監督作品