2015年12月
Manoel de Oliveira 「Os Canibais」
Os Canibais - Manoel de Oliveira - 1988
「芭蕉全句集」
マノエル・ド・オリヴェイラ「サオン・ヴィセント・ドゥ・フォラの衝立:詩的幻影」
Painéis de São Vicente de Fora - Visão Poética (Manoel de Oliveira, 2010)
Manoel de Oliveira 「Famalicão」
"Famalicão" (1940) - Manoel de Oliveira
池波正太郎「ルノアールの家」
ジャン・ルノアール「フレンチ・カンカン」
Jean Renoir「French Cancan」 1954
カイゼルスベルグのマルシェ・デ・ノエル2015
Marchés de Noël à Kaysersberg 2015
NOËL A KAYSERSBERG 2015
池波正太郎「東京のうまいもの」
[うさぎや]のどら焼きといえば、私が少年のころからつとめていた株式仲買人
の主人が、月に二度ほどは、私をよんで、
「お前さんのところの近くだから、今日は帰りに、うさぎやへ寄り、どら焼きを買
って、明日、もって来ておくれ」
と、たのんだものだ。
翌日、どら焼きを持って行くと、その中から二個を半紙に包み、
「ごくろうさん」
と、私にくれる。
私が、いい若い者になっても、どら焼きを買いに行かされた。
戦争がひどくなって、砂糖などが統制されると、うさぎやも、日に何個ときめられた
どら焼きしか売ることができなくなり、私は早朝から行列をして買いもとめ、主人の
ところへ持って行くと、
「ごくろうさん」
の言葉に変わりはなかったが、その内の二個を私に分けてくれるのが、ちょっと惜
しそうな顔つきになる主人に、私は苦笑したものだ。
そのころはもう、甘いものをよろこぶ私でもなかったが、主人の惜しそうな顔が見た
いので、いつも、もらってきたものだ。
「私は甘いものなんぞ、いりませんから・・・・・・」
といったら、主人はどんなによろこんだことだろう。
そのころの甘味の貴重さを、現代の若者たちに語ってみても、何のことやら、さっぱり
わかるまい。
池波正太郎「東京のうまいもの」P26・27 1996年平凡社コロナ・ブックス刊
最近見た映画 テオ・アンゲロプロス「旅芸人の記録」
Noël 2015 Alsace
Noël 2015 Alsace Strasbourg Colmar Selestat Turckheim Munster Luttenbach
池波正太郎文庫
埴谷雄高自作朗読『不合理ゆえに我信ず』
埴谷雄高(1909.12.19-1997.2.19)
Jacques Rivette「Paris nous appartient」
Godard in 「Paris nous appartient(1960)」
師走に咲く庭の紫陽花
Manoel de Oliveira「O Passado e o Presente」
O Passado e o Presente - Manoel de Oliveira - 1971
池波正太郎「夜明けのブランデー」
Hespèrion XXI-Jordi Savall「El Llibre Vermell de Montserrat」
El Llibre Vermell de Montserrat-La Cappella Reial de Catalunya-Hespèrion XXI-Jordi Savall
2015アルザスのマルシエ・デ・ノエル
Marché de Noël en Alsace 2015
小津安二郎「東京の合唱」
「東京の合唱」 (1931)
小津安二郎監督(1903.12.12-1963.12.12)
マノエル・ド・オリヴェイラ「アンジェリカの微笑み」
原節子「麦秋・鵠沼海岸」
鵠沼海岸(麦秋1951)
原節子「晩春・北鎌倉駅」
北鎌倉駅(晩春1949)
原節子「麦秋・北鎌倉駅」
北鎌倉駅 (麦秋 1951)
「小津が愛した女優たち」
「小津が愛した女優たち」2003年
【出演】岡田茉莉子/淡島千景/香川京子/若尾文子/有馬稲子
【聞き手】工藤夕貴
アルザスワイン街道
Destination Cœur d'Alsace - Route des vins d'Alsace
フランス・アミアンのマルシェ・ド・ノエル
Marché de Noël d'Amiens 2015
芦原義信「街並みの美学」
京都の町家は街路に直接面する上に、その接触する所に造形的にも
機能的にも優れた木格子が使ってある(写真13)。
この格子はイタリアの街並みのところで述べたように、内外の空間秩序
に流動性を与え街並みを活気付けるのに重大な役割を果している。
格子は視覚的に半鏡面のような作用をする。
すなわち、暗い方から明るい方を見ることができるが、明るい方から暗い
方は見えにくい。
であるから、昼間は家の中から表の様子を感知することができるが、
表から家の中を見ることは難しい。
また、格子の断面の縦横比を幾分縦長にすることにより、強度的にも丈
夫で視線を遮る方向も増加することができる。
通常は駒返しといって、格子の見付けの寸法と間隔を等しくすることによ
って風格のある格子の面を作ることができる。
このように格子によって、住いと「おもて」の街路とがつながることができる
し、一方ではプライヴァシーを保ちながら、他方では緊密なる近隣関係を
保つことができるのである。
芦原義信「街並みの美学」P53・54 1979年岩波書店刊